半世紀(2019Album)Lyrics

All song Written by Yossey

 

漂流者にあらず

 

遊びで始めた楽器を抱えて

君は10号線を北へ

友達の真似をしてみた

信号無視みかげ通り交差点で

悪魔に鍵を渡されて

いつの間にか心の真ん中に

アイツは居座り続けた

 

流れのままに行けば

どんなに楽だったかも知れない

彼らと同じ服を着れば

ゴールはすぐだったかも知れない

でも君は決して

その身を委ねたりしない

漂流者にはならなかった

You are Not Drifter そう君は

全てに抗い続けた

 

言葉にメロディ

リズムとハーモニー

絡み合う

 

三日月の光でも

愛が見つかる場所へ

漆黒の闇でも

心に灯が点せるところへ

君は探した

探し続けた

漂流者にはなりたくなかった

You are Not Drifter そう君は

遡上がる魚になりたかった

 

言葉にメロディ

リズムとハーモニー

それだけで

 

やがて友達は       

君の許を去った   

丘の上の馬鹿はもう

相手に出来ないと

氷のような言葉を

みやげにして消えた

You are Not Drifter そう君は

漂流者じゃなかった

You are Not Drifter そう君は

朝焼けに全てを見た

 

言葉にメロディ

リズムとハーモニー

 

言葉にメロディ

 

リズムとハーモニー

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水晶体の空から

 

藍色から朱く

樹々を照らし始め

私はまた朝を

連れて来たのです

鳥たちは歌う

いたいけな声で

当たり前の日々を

見せてあげるのです

そして花よ咲きなさいと

命じるのです

 

おお おお

 

雨の日にはあなたを

隠してあげましょう

クリソコラの夜なら

月も見せてあげましょう

悲しみを知らないまま

幸せを味わえないなら

痛みも散りばめます

どうぞ泣きなさい

明日になってもまだ

生きたいのなら

 

おお おお

 

弱いものが更に

弱いものをいじめ

強くなれないまま

手のひらで踊る

嘆きの大地から

祈るばかりの人

紺碧色の空は

私の水晶体

果てしなく見える海は

私の涙

 

おお おお

 

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半世紀             

 

 

ライオンズの野球帽で

真っ黒に日焼けして家路を急ぐ

親父はおきゅうとを肴にして黒田節

 

ほら見ろあのお月さんにまで

人類は遂に到達したと

瓶ビールの栓を勢いよく開けた

 

巨人・大鵬・卵焼き

アベックホームランで万歳

地震・雷・火事親父

学校の先生も怖かった

 

半世紀なんてあっという間

何が変わった何が変わらなかった

 

自分の恥ずかしい事は

そっとしておいて欲しいくせに

他人のことはそっと出来ずに大騒ぎ

 

お隣さんの名前すらも知らないくせに

画面の向こう側の悪口ばかり

言うようになった

 

太陽の塔の目玉から

どんな未来が見えたのかな

君とだってステキな

関係になれた筈なのに

 

半世紀なんてあっという間

何が変わった何が変わらなかった

 

放射能が怖いか

政治家が悪いか

ヤクザは恐くないか

煙は敵なのか

クレームが怖いか

自分の子だけは可愛いか

おいしい水はありがたいか

スマートな電話が君の全てなのか

 

半世紀なんてあっという間

何が変わった何が何が変わらなかった

 

ルルル

ルルル

 

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北風と太陽

 

確かめたくて君の中に入った

暗い闇の中を僕のイエローサブマリンで

その深い場所にそれを見つけたんだ

 

どんな力にもビクともしない

硬い殻は僕を拒んでいた

その時古い童話を思い出した

太陽は北風よりも強かったあの話を

 

そこで僕は作戦を変えた

ありったけの優しさを殻に振りかけてみた

思った通り口を開け始めた

太陽は北風よりも愛に満ちていたんだ

 

ところがどうも様子がおかしい

自慢のイエローサブマリンの色が変わりだし

みるみるうちにスクリューが歪んでゆく

優しく溶けて混ざり合う夢ばかりを見ていた

太陽にはなれなかった

 

優しく溶けて混ざり合う夢ばかりを見ていた

 

太陽にはなれなかった

 

北風偽物の愛

 

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氷麗 -つらら-

 

とても綺麗だねと君は言ってくれる

自然は美しいねと彼が応える

でもね

私はこんな風になりたかった

わけじゃないんです

昨日まで雲の中で

キラキラ仲間たちと

遊んでいたのです

大体君んちの屋根になんて

落ちたくは無かった

そもそもこんなところで

命を終える筈じゃ無かった

 

ガリバリウム鋼板はとても居心地が悪いし

朝日に当たって一気に溶かされてしまうのさ

すんでのところでこんなカタチに

なってしまったから

お正月で遊びに来た

子供達の雪玉の標的になり

仲間の積もった庭に

突き刺さる寸前なんです

絶対絶命とはまさにこんな時の事を

言うのでしょう

 

突き刺さればまだいい

つららとしてカッコ良くいられるから

大抵は不様に折れてそれで終わりだ

美しいなんて言うなら

そばに置いておくれよ

一生君のほっぺを冷やしてあげるから

 

春が来ればみんなきっと忘れてしまうでしょう

ひとときの夢でした

 

いつかまた逢えるかな